伊勢の御神田で発見された新品種
「イセヒカリ」とは、毎年伊勢神宮に奉納される の品種のことをいいます。
毎年10月17日に、伊勢神宮で執り行われる五穀豊穣の収穫祭「神嘗祭(かんなめさい)」にて、その年の最初に取れた稲穂を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、感謝する行事があります。
奉納される稲穂は伊勢の御神田で作られたものが奉納されるのですが、平成に入る前までは「イセヒカリ」ではなく「コシヒカリ」が栽培され奉納されていました。では、なぜ現在「イセヒカリ」が奉納されるようになったか?
それは、平成元年に2度の台風によりコシヒカリが大きな被害を受け倒されてしまいました。
しかし、そんな被害の中で倒されず立っている稲株があり、詳しく検査をすると新品種であることが分かりました。
御神田に突如として神秘的に現れた新品種は、以降伊勢神宮の御神米として「イセヒカリ」と命名され、毎年奉納されるようになりました。
平成元年に発見された「イセヒカリ」は、突如として現れた経緯もあり、神の米として門外不出とされていました。
しかし、平成8年からは、各県の神社に分与が始まり、今では全国に流通しています。
お米の美味しさを図る数値のひとつに「食味値」というものがあります。
「食味値」とはアミロース・タンパク質・水分・脂肪酸度の4つの成分から独自の計算式で算出されるお米の美味しさの数値ですが、「イセヒカリ」は、推奨品種基準を超える数値で、特にアミロース値が高いという特徴があります。
アミロースが多く含まれるお米は、硬質であっさりしいてため、消化吸収されにくいとという特徴があります。
アミロペクチンの多いモチモチしたお米の特徴を持つ「コシヒカリ」などに比べ糖の吸収がゆるやかになりです。
糖の吸収をゆるやかにするため、健康に良いとされています。