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農業!たいこや

窒素って何?

窒素には何があるのか?

爆弾も実は窒素?!

日本語では窒素ですが、英語でニトロといえばイメージしやすいでしょうか。
実は爆弾は高濃度の窒素で、爆発的なエネルギーには大抵窒素が絡んでいます。
辛味成分やエナジードリンクなど刺激物も窒素が大きく関与します。
アドレナリンやドーパエンドルフィンなど興奮ホルモンも窒素化合物ですね。
お肉のようなタンパク質は窒素の代表的な分子ですし、味の素に代表されるアミノ酸も窒素分子です。
人があんまり摂りすぎない方が良いよなーと思いつつ、ついつい手が出てしまうものには、窒素がとても多いんです。

大気中の成分ってほとんどは窒素なんですが、どうも窒素は大気の中で自由に漂っているのが、一番心地よいみたいなんですね。
それが雷などの高い負荷がかかる事で雲に取り込まれて、雨として土に降り注ぎます。
その雨を植物が吸って、自分の生育に利用し、細胞という、形あるものにするわけです。
そして動物がその植物を食べる事で自分の体を、形として作っていく事ができます。
適切な量なら何の問題も無いのですが、量が増えすぎると様々な問題点が出てきます。
前述の通り窒素はどうも大気に帰ろう帰ろうとするようで、植物や動物の体の中で激しく動き回ろうとします。
細胞分裂に象徴されるようにドンドン小さくなって大気に帰ろうとしているような動きをします。
その性質を人が巧みに利用したのが爆弾で、実は化学肥料が発見されたのは、爆弾や毒ガスの研究開発の副産物でもあります。

作物と窒素の関係

作物の話で言うと、過剰窒素の植物を食べると、体の血液に入った後、血中の酸素を奪ってしまう結果になります。
赤ちゃんや家畜類の死亡事故が起こったのは、この血液中の窒素が引き起こしたものでした。
確かに栽培を劇的に早めてくれる化学肥料の窒素があればこそ、今の70億という人口を支える事ができています。
しかしそれに伴う弊害も、世界中で様々な形で現れています。

無農薬栽培における生産者と窒素の関係

栽培においてこの窒素とうまく付き合う為に、私達は、炭素を窒素の為の器として捉えています。
窒素の量が、この炭素の器をこえないように気をつけて進めていきます。
栽培量を増やしたい時は、先ず炭素の器を拡げることから始めます。
炭や堆肥や、植物の残渣を利用する事が多いです。
そうやって炭素の器をしっかり作って、微生物を活性化させる事ではじめて窒素が有効に機能する事になります。
軽く、柔らかく、美しい窒素化合物があればこそ私たち動物が、形として存在することができます。
私達を滅ぼす事も繁栄させる事もできる、まさに諸刃の剣でもある窒素を、うまく味方にする事が、無農薬栽培を成立させるキーポイントであり、楽しみでもあります。

記事監修
農業!たいこや
無農薬農家 吉田 昭

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