無農薬栽培を実現しようと思うと、作物自身に最大限に力を発揮してもらう必要があります。
作物に適さない無理な環境で育てるのは、人に置き換えれば、自分の適性と全然違う仕事を押し付けるようなもので、力が出せないばかりかストレスで弱ってしまいます。
本来のポテンシャル以上の生育を求める事も、様々な免疫機能や生理機能が追いつかなくなりますので、これも成長過程でいずれ破綻していきます。
適切な環境で、適切な品目を選び、適切に生育のサポートをする。
これをキチンと実践すれば、作物自身が生命力を発揮して、伸び伸びと、美しく、自由に育っていってくれます。
自由というと、何だか好き勝手に生きる、というようなイメージがありますが、起きた事全ては自分に由来する。という、自己責任という解釈もできます。
私はこの自分由来という解釈が好きで、栽培でも常に作物達にどう自由に育っていってもらえるかを考えています。
その為には、もちろん自分自身が自己責任を常に心掛けて、問題が起きれば、先ず自分のやり方の間違いを探します。
これを怠ると、問題が起こった時に、原因を虫や病原菌に求めてしまいます。
そうなると解決策は農薬。という選択になってしまいます。
虫がくる、病気になる、といった事が起こるのは、作物が自由になれていない証です。
虫や病気は不自然な生育になってしまった作物を、土に戻す為の担い手。とも捉える事ができます。
作物が元気な状態だと、まるで笑顔の人と同じような、いきいきとしたエネルギーを感じる事ができます。
そんな作物をいただけば、私達も元気になれるのは当然の話です。
先ず私達が自由に生きて、作物達にも自由になってもらう。
自分の責任で、自分の意志で、自由に生きているもの同士のコミュニケーションは、毎日とても楽しいです。
笑顔で!元気で!自由に!
無農薬栽培で自然が私達に教えてくれる、大切な事だと思っています。
記事監修
農業!たいこや
無農薬農家 吉田 昭